隠蔽捜査

めちゃくちゃ面白かった。 これが初めて読む今野敏作品で、しかもそれまでこの作家の名前さえ知らなかった。本を買う前にこの作品でなんかの新人賞を取ったと読んでいたので、新人作家なのかと思っていたくらい、何も知らなかった。で、この作品を読んであまりの面白さにたまげて、なんつー新人作家だと興奮して調べてみたら、著作数がえげつないベテラン作家だと知ったのだった。 ということはどうでも良くて、とにかくこの「隠蔽捜査」で私は今野敏にハマり、3ヶ月で50作ほど読んでいる。今野敏の書く様々なシリーズの中でも、やはり「隠蔽捜査」シリーズが飛び抜けて大好きだ。（次は「任侠」シリーズで、その次が「安積班」シリーズ） この作品に出会えて、竜崎伸也という比類なき変人警察キャリアに出会えて、本当に良かった。 以上、作品のレビューにはなっていないけれど、ただただ好きだという気持ちだけを綴りました。

お客様に勧められ、いただいた本。自分が手に出さないタイプの小説だったけど面白かった。 警察関係の話でも珍しいキャリア組の主人公。 出てくるキャラクターも多いわけではないので、読みやすい。 最初に主人公の性格について書かれていたけど、全くもって共感出来ないキャラ。でもなぜか読み進めていくと主人公のことを嫌いじゃなくなる。ある意味不器用な主人公を応援したくなる作品だった。 読みやすいので、読むのに1日かからない。 シリーズ作品らしいので続きも読んでみたい。

本シリーズ第１巻。4巻から読み始めてたどり着いた第１巻。竜崎が所轄の署長に左遷される原因となった息子邦彦の薬物使用の経緯が語られる。 主人公は、警察庁長官官房総務課長の職にある竜崎伸也警視長、バリバリのエリート警察官僚である。 シリーズ第１巻とあってまず竜崎の人となりが語られる。竜崎にとって大学といえば東大であり、それ以外の大学は価値がないと考えている。だから息子・邦彦が有名私立大学に合格したものの、東大以外は大学の認めない竜崎のこと、邦彦は再び東大合格をめざして浪人中である。ではなぜそこまで厳しく自分にも他人にもこだわりを持つのか。それは、国家公務員として社会に対する職責を存分に果たしたいという使命感に基づくものである。それゆえ、竜崎は東大卒、上級国家公務員試験合格は当たり前、入省同期は皆競争相手とみなして然るべき昇進を果たし、権限を手中にして国家を動かしてこそ国家公務員の使命を全うできる、と考えているのだ。 暴力団員が殺された。被害者は10年前に起きた誘拐、強姦、殺人事件の犯人の1人であった。拳銃による射殺であるところから、当初は暴力団の抗争事件とみられていた。しかし第2の射殺事件が発生、殺された会社員は10年前の事件の共犯であることが判明してから、捜査本部の空気は一変した。その事件を起こした少年たちは刑期を終えて出所していたのだった。暴力団の抗争事件から10年前の少女暴行殺害事件の被害者親族の怨恨へと捜査方針が変更された。さらに立て続けに第3の殺人事件のが起きた。こちらは撲殺で少女暴行殺害事件とは関係がない被害者であった。しかし、この被害者も少年時代にホームレスを殺害していた。これらが連続殺人事件のなのかどうか。犯行日に着目した竜崎はそこにある種の規則性があることを見出した。 ３日毎に犯行を繰り返すのは、3日ごとに休日が訪れる職業であろうとの推理である。そんな職業人が竜崎の身近にいた。警察官である。犯人として浮かび上がってきたのは、大森署地域課勤務の熟年警察官であった。極秘の捜査情報がもたらされた時、検察上層部のとった措置とは。その時竜崎がどう行動したか。読み応えのある一書である。 も少年時代にホームレスを殺害していた。これらが連続殺人事件のなのかどうか。犯行日に着目した竜崎はそこにある種の規則性があることを見出した。 ３日毎に犯行を繰り返すのは、3日ごとに休日が訪れる職業であろうとの推理である。そんな職業人が竜崎の身近にいた。警察官である。犯人として浮かび上がってきたのは、大森署地域課勤務の熟年警察官であった。極秘の捜査情報がもたらされた時、検察上層部のとった措置とは。その時竜崎がどう行動したか。読み応えのある一書である。