
東京タワー
新潮文庫 新潮文庫
江國 香織
2006年3月31日
新潮社
825円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
大学生の透は恋の極みにいた。年上の詩史と過ごす甘くゆるやかなひと時、世界はみちたりていた。恋はするものじゃなく、おちるものだ。透はそれを、詩史に教わった。一方、透の親友・耕二は、女子大生の恋人がいながらも、蠱惑的な喜美子に夢中だった。彼女との肉体関係に…。夫もいる年上の女性と大学生の少年。東京タワーが見守る街で、二組の対極的な恋人たちが繰り広げる長篇恋愛小説。
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みんなのレビュー (3)
(無題)
透と耕二は高校からの友人で2人とも頭のいい大学生で、2人の恋愛模様が描かれた作品である。 2人とも年上の女性と付き合いをしているが、相手の女性に対する感情や付き合いの仕方は異なる。透は内向的で詩史を一途に想っているのに対し、耕二は要領がよく彼女がいながら喜美子と肉体的な付き合いをしている。 奔放でわがままのように見える彼らは、人妻と付き合ってる故か、自由があるわけでさない。 恋愛は想いが通い合うからといってうまく進むものではない。まっすぐな想いとは裏腹に、環境や状況、関係がねじれてしまえば、ねじれはねじれたまま、時間だけが過ぎ去ってしまう。 わたしの短い読書人生の中では、官能的な小説の部類だったと思う。
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(無題)
少年以上青年未満、そんな年頃の男が二人。親友ではあるが対照的な二人。音楽と読書を愛するスタティックな透に対してバイトやら女漁りやらとダイナミックに人生を切り開く耕二。ただ一つの共通点は年上の人妻を恋人に持つことだけだ。透が憧れる恋人が詩史。詩史は、青山の一等地でセレクトショップを経営している。それだけにCMプランナーの夫から自立している。常に詩史がリード役だから、透は愛人的存在。一方耕二の相手・喜美子は、専業主婦である。感情の起伏が激しく、セックスにも奔放である。さらに、耕二には同年齢の恋人があり、学業、バイトにも精を出す野心家である。本作はそんな二人の心象風景がパラレルに妖しく描かれる。 20歳前後の男子大学生ってどんな感じなのだろうか。我が身を振り返ってみれば、子供の世界を脱して世の中の面白さが少しずつ見えてきた時期であった。そして、何でもできるとの錯覚に支配されてもいた。だから、全ての事柄にアグレッシブであったように思う。 対する30代後半の女、これはもう想像の域を出ることはないが、やはり1種の焦燥感はありそうだ。それを端的に表わしているのが喜美子の次の台詞である。「35の女の欲望なんて、耕二くんには絶対にわからない」 貞淑で勤勉な主婦としての立場と女として性愛にのめり込む最後のチャンス、この葛藤に翻弄されながら、最後はフラメンコという趣味の世界に人生の妥協点を見出すのだった。もう一人の詩史は 「私、自分の人生が気に入ってるの。幸福かどうかはあまり問題じゃないわ」 との実感を持った生活を送っていた。しかしひたすら詩史からの電話を待つだけの透、そのひたむきさは、詩史の心に確実にひび割れをもたらしたのだった。 男にも女にも「あぁ、そんな時期があったなぁ」と甘く切ない思いを胸に呼び覚ますのは、作者からのビッグプレゼントであろう。
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久しぶりに楽しかった
最初読んだところから謎に引き込まれた サスペンスとか引き込まれやすい、殺人というストーリーがあるからひきこまれやすいけど 恋愛のことだけなのにすごいひきこまれた おもしろかった
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