
リヴィエラを撃て 下
新潮文庫 たー53-5 新潮文庫
高村 薫
1997年6月30日
新潮社
737円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
CIAの『伝書鳩』とともに、父の仇である『リヴィエラ』を追っていたジャック。複雑怪奇な諜報機関の合従連衡。二重・三重スパイの暗躍。躍らされる者たち。味方は、敵は誰か。亡命中国人が持ち出した重要書類とは?ジャック亡き後、全ての鍵を握るピアニストは、万感の思いと、ある意図を込めて演奏会を開く。運命の糸に操られるかのように、人々は東京に集結する。そして…。
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pandax
登場人物の人間的魅力の描写が素晴らしい
正義とか、血統とか、運命とか。どうにもできない大きな流れの中にありながら、それでもそれぞれの決断をしていく登場人物たちが、強くて悲しくて痛々しい。 危険だとわかっていても止められない流れ。失いたくないからこそとる距離。伝わってしまう気持ちや共鳴してしまう魂。読みながら、どうして、と思うと同時に納得もちゃんとできているという不思議な気持ちになる。 骨太な筋書きはもちろんのこと、多数の登場人物がそれぞれに魅力的に描かれているところも、素晴らしかった。
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