「坊っちゃん」はなぜ市電の技術者になったか

新潮文庫

小池滋

2008年10月31日

新潮社

440円(税込)

小説・エッセイ / 人文・思想・社会 / 文庫

『坊っちゃん』のラスト、なぜ漱石は主人公を「街鉄の技手」という職業に就かせたのか。佐藤春夫の『田園の憂鬱』で、主人公を「憂鬱」にさせた「汽笛の音」の正体は。『〓(ぼく)東綺譚』執筆時の荷風は、当時の鉄道風景に何を見つけたのかー。明治から昭和初期の名作八篇中の謎と、廃線や路線変更によって生じた鉄道史の迷宮とがクロスする。ミステリの味わいを湛えたスリリングな鉄道エッセイ。

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