南へ舵を

新・古着屋総兵衛第4巻

新潮文庫

佐伯泰英

2012年8月31日

新潮社

693円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

“影”本郷康秀を誅殺した総兵衛一行は、上野、越後、越中を経て盛夏の加賀に入った。海路より金沢入りしていた信一郎らと合流し、前田家と交易を行う。一方、日本橋富沢町大黒屋では、ちゅう吉の掴んだ本郷家老女と薩摩藩用人の密談が大番頭光蔵に報告されていた。帰参した総兵衛は八百善で町奉行と秘かに対面。その帰途、李黒の妖術が…。にわかに暗雲立ちこめる緊迫の第四巻。

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(無題)

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3.2 2018年01月28日

佐伯泰英は自宅隣の岩波別邸が売りに出されると知り、この貴重な建物を後世に残すべきと購入に踏み切ります。設計者吉田五十八の弟子、以前改築を手がけた数奇屋建築の有名工務店「水沢工務店」とともに修復にかかり、完全解体し、基礎から作り変え、家具・照明ともオリジナルに修復しました。 それはともあれ、大黒屋総兵衛のもとに、御側衆本郷康秀が将軍家斉の代参として日光へ向かうとの情報が寄せられました。突然の決定に加えて、極端に少ない従者の数など、奇妙なところが多いことに不審を抱いた総兵衛らは本郷の行列を追います。やがて、本郷の企みが、西国の雄、薩摩藩と組んで大黒屋を潰すことだと分かってきます。 意を決して本郷丹後守康秀の命を断った10代目大黒屋総兵衛勝臣は、「影」の背後で大黒屋、鳶沢一族の殲滅を狙ったのが薩摩藩であることを知るのでした。薩摩藩主島津重豪は、娘の将軍家斉の正室である寔子(ただこ)を通じて「影」が誰かを探り、「影」である本郷丹後守康秀と手を結んだのでした。 百年前に屋久島沖で薩摩藩の船団を完膚なきまでに叩き潰した、大黒丸を率いた6代目大黒屋総兵衛と、薩摩藩は不倶戴天の敵になっていました。しかも新たにガレオン型大型帆船のイマサカ号も加えて、海外交易に乗り出そうとする大黒屋は、琉球を拠点に抜け荷で巨富を得ている薩摩藩にとっては脅威になるのです。 先代9代目総兵衛の一周忌を終えた日に新しい「影」からの呼び出し状が届きました。会見の場に現れたのは十二単をまとった女性です。「影と鳶沢一族は一心同体であらねばならぬ」という新しい影の言葉で勝臣の不安は一掃されるが、会見直後に薩摩の武士に勝臣は襲われるのでした。そして巨万の富を載せた大黒丸とイマサカ号は交易のために南へ出発して行きます。

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