スカーレット・スターの耀奈

新潮文庫

梶尾真治

2004年8月1日

新潮社

481円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

地球を離れ四百時間、惑星「ズヴゥフル5」の大学で出会った少女「耀奈」。その胸には真紅のネックレスが輝いていた…。付き合い始めた地球人の“ぼく”の周りで起きる異変、耀奈と別れなければ不幸を背負うという謎の警告。そして、彼女の身体に秘められた、母国を救うためのある使命とはー。少女との切ない邂逅を描いた表題作他、異空間を舞台にした「泣ける」ファンタジー四編。

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2019年01月28日

梶尾真治「スカーレットスターの耀奈」読了。 「○○スターの××」というタイトルの中編小説4編が収められている。××の部分はどれもヒロインの名前で、どれも主人公とヒロインの間の交流、愛情を描いている。4編とも単なる恋愛譚にとどまらず、読んだ後しばらく考えさせられる作品ばかりで、さすが「カジシン」という感じだ。 なかでもタイトルになっている「スカーレットスターの耀奈」が秀逸だった。作中にもオスカー・ワイルドの「幸福な王子」が出てくるが、この中に描かれているのも無償の愛だ。無償の愛を描いた作品は「幸福な王子」やシルバスタインの「ギビング・ツリー」など(個人的には遠藤周作の「女の一生」も無償の愛を描いた作品だと思ってます)があるが、どれも悲しさや本当にそれでいいのだろうか、という否定的な読後感が残る。 だが、この「スカーレットスターの耀奈」はまた違った読後感があった。 それは「SFだからできるご都合主義的なもの」と見ることもできるが、僕はそれを大いに支持したい。 くどいようだが、さすが「カジシン」という作品だった。

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