
ボヴァリー夫人
新潮文庫
フローベール / 芳川 泰久
2015年5月28日
新潮社
1,045円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
娘時代に恋愛小説を読み耽った美しいエンマは、田舎医者シャルルとの退屈な新婚生活に倦んでいた。やがてエンマは夫の目を盗んで、色男のロドルフや公証人書記レオンとの情事にのめりこみ莫大な借金を残して服毒自殺を遂げる。一地方のありふれた姦通事件を、芸術に昇華させたフランス近代小説の金字塔を、精妙な客観描写を駆使した原文の息づかいそのままに日本語に再現する。
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(無題)
気乗りしなかったが講座の課題なのでやむなく読んだ。 作者は「ボヴァリー夫人は私だ」と言ったそうである。 確かにエンマのようにファウストやハムレットに自分を投影する夢見る少年であったのかもしれない。 けれど私には「ボヴァリー夫人の夫は私だ」と作者が終始、読者に語りかけている気がした。 フローベールは徹底して女性を(その美しさは別として)、そして俗世の人間を忌み嫌っている。 思いのほか長く筆力のお陰で一気に読んだが、読み疲れた。 これでやっと竹取物語が読める。
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