影に対して
母をめぐる物語
遠藤 周作
2020年10月29日
新潮社
1,760円(税込)
小説・エッセイ
完成しながらも発表されず、手許に残された「影に対して」。「理由が何であれ、母を裏切り見棄てた事実には変りはない」しかし『沈黙』『深い河』などの登場人物が、ついにキリストを棄てられなかったように、真に母を棄て、母と別れられる者などいないー。かつて暮した街を訪ね(「六日間の旅行」「初恋」)、破戒した神父を思い(「影法師」)、かくれキリシタンの里を歩きながら、(「母なるもの」)、失われた“母”と還るべき場所を求め、長い歳月をかけて執筆されて全七篇。
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