マドンナ・ヴェルデ
海堂尊
2010年3月31日
新潮社
1,650円(税込)
小説・エッセイ
「ママは余計なこと考えないで、無事に赤ちゃんを産んでくれればいいの」平凡な主婦みどりは、一人娘で産科医の曾根崎理恵から驚くべき話を告げられる。子宮を失う理恵のため、代理母として子どもを宿してほしいというのだ。五十歳代後半、三十三年ぶりの妊娠。お腹にいるのは、実の孫。奇妙な状況を受け入れたみどりの胸に、やがて疑念が芽生えはじめる。「今の社会のルールでは代理母が本当の母親で、それはこのあたし」。
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(無題)
現職の医師・海堂尊が代理母出産に正面から取り組んだ作品である。 桜宮市に住む主婦の山咲みどりは平凡な生活を送っていた。ある日、東京の帝華大学に産科医として勤める娘の理恵が帰省し、理恵は出産できない体であり、みどりに自分の子供を代わりに産んでほしいと頼んでくる。 戸惑いながらも娘のためにその提案を引き受けるみどりだったが、代理母出産は日本の法律で認められておらず、お腹の子供の母親は法の下では産んだ当人であるみどりと定められていた。やがて人工授精によりみどりは2人の子供を宿すことになったが、理恵はみどりも予想しなかった信じられない行動を取る。さらに理恵はこの代理母出産で、倫理に反するある禁忌を行っていた。それを知ったみどりは子供の未来を守るため、理恵と戦う決意をする。 代理母のみどりの立場、そして、医者としての理恵の言い分、それらを登場人物に語らせながら、どういう決着をつけるのか、最後まで目が離せなかった。誰もが、代理母であり、理恵の母であるみどりを応援したくなると思う。ところが、エンディングは双子をそれぞれが引き取ることでハッピーエンドとは、いただけない。また、将来的にはこんな家族もあり得るとの著者の考えなのだろうが、これも俄かには得心出来ない。聖母みどりと、著者が描く様なエンディングが用意されてしかるべきであると思われる。
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