村上海賊の娘 上

和田 竜

2013年10月31日

新潮社

1,760円(税込)

小説・エッセイ

和睦が崩れ、信長に攻め立てられる大坂本願寺。海路からの支援を乞われた毛利は村上海賊に頼ろうとした。その娘、景は海賊働きに明け暮れ、地元では嫁の貰い手のない悍婦で醜女だった…。

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ひさだかおり

書店員@精文館書店中島新町店

(無題)

--
0
2020年01月16日

みんなのレビュー (4)

azukikaferate

資料元に書かれてる

starstarstarstarstar 5.0 2025年01月07日

歴史小説なのに合間で資料から考察した内容突っ込んでて、物語風にこの頃の出来事がわかりやすい。瀬戸内海の海賊は何となく知っていたけど、3つに別れてたとか。景が現実を突きつけられて変わっていく様をまだ見れる。どうなってゆくかな。

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2019年09月22日

Readeeユーザー

(無題)

-- 2018年11月15日

Readeeユーザー

(無題)

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3.6 2018年01月26日

甲斐の武田信玄、越後の上杉謙信らが死去し、織田信長の天下統一への動きが急となっていた時代でした。信長の天下布武の野望の前に大きくたちはだかったのが石山本願寺です。しかも中国の雄毛利氏は信長と対立して本願寺を支援し、信長の兵糧攻めに苦しむ本願寺に兵糧米を搬入する計画を立てました。兵糧を積載した毛利水軍と搬入を阻止しようとする織田水軍との間で一大決戦が展開されました。史上有名な「木津川口海戦」です。 本作はそんな時代に、もしも現代的な風貌と性格を備えたギャルがいたら面白い事になるのにな〜、との著者の思いを小説に仕立てたものです。この時代、村上水軍の総帥は村上武吉。武吉に娘があったのは、記録に遺されていますが、その詳細は明らかではありません。著者の想像力の産物が本作の主人公景(きょう)です。人物の造形力と史実を絡ませて物語を織りなす著者の構想力は並々ならないものがあり、面白く読むことができます。 ブラジルの美人の第一条件は、お尻が大きいことなんだそうです。巨乳好きはあっても、巨臀好きは日本では聞きませんね。所変われば何とやらです。長身でスレンダー、目が大きくてぱっちり、こんな女性がいればテレビを通してお茶の間の人気者になることは間違いありません。でも、これが戦国の世だったらどんな評価を受けたでしょうか。景は当時の人々から醜女と思われていました。ところが、世界に開かれた自由貿易港・堺の人々は、南蛮人の美しさを知っていました。ですから、景にその美しさを見出し、美人として遇してくれました。 いわば、異文化に触れたカルチャーショックてすが、景にとっては心地よいものでした。年頃の娘にとって、男から美しいとちやほやされる事ほど、心躍ることはありません。手放しで景を褒め、有頂天にさせたのは泉州海賊でした。男勝りで海賊働き好きの景は、石山本願寺と信長勢の戦闘を目の辺りにする機会に恵まれます。 本書の後半は石山本願寺対信長勢、言い換えれは雑賀孫一VS眞鍋七五三兵衛の戦いが中心に描かれます。雑賀孫一といえば、鉄砲を擁する傭兵集団・雑賀衆の頭領として知られていますね。本願寺に請われて、対信長勢への尖兵を務めています。一方の眞鍋七五三兵衛は、眞鍋海賊の若きリーダーです。信長軍勢に組み込まれていました。七五三兵衛は男臭さがムンムンするような男です。その一方で、あっさりと命を投げ出したり、笑い飛ばしてしまう豪快さも併せ持ちます。この海賊集団の面白さは独特の主従関係にあります。戦闘集団では、集団や集団の構成員の安全のために上意下達、絶対服従が求められます。眞鍋海賊はちょっと違ったところがあります。これは眞鍋一族というより、地域性、泉州人気質に根ざすもののようです。 例えば、眞鍋海賊は首領に対して同僚にものを言うような口をききます。泉州には敬語がない、あるいは尊敬の念はちょっとしたイントネーションで表すのだそうです。そんなの、他国の人間には分かるわけがありません。そこで和泉の言葉は汚いあるいは乱暴だ、と言われるようになったのでしょう。今でも大阪の人は、和泉の人に独特の思いを持っているようです。我々関東人には理解の外のあります。それでも岸和田のだんじりが男の心意気を表す勇壮な祭りだ、ぐらいは知っていますがね。

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