月桃夜
遠田潤子
2009年11月30日
新潮社
1,540円(税込)
小説・エッセイ
想いは人知れず、この世の終わりまで滾り立つー。死んでもいいと海を漂う茉莉香に、虚空を彷徨う大鷲が語りかける。熱く狂おしい兄の想いを、お前はなかったことにできるのか?かつて二百年前の奄美にも、許されぬ愛を望んだ兄妹がいた…。苛酷な階級社会で奴隷に生まれた少年は、やがて愛することを知り、運命に抗うことを決意する。第21回「日本ファンタジーノベル大賞」大賞受賞作。
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(無題)
この世の終わりが、来ればいいーー。 奄美の海、パドルを失いカヤックで漂流している茉莉花のもとに、隻眼の鷲が降りてくる。彼は言葉を話し、茉莉花の纏う月桃の香りに誘われて来たという。死を恐怖する茉莉花は、鷲にお話を聞かせてくれるよう頼む。鷲は、江戸時代、奄美大島の奴隷「ヤンチュ」であった兄妹の話を始めた。 久しぶりに読んだ小説。 後半は泣きながら読んだ。いや自分の涙腺が弱くなっているからだが。 しかし現代側の話は蛇足というか、いまひとつの印象。 印象に残ったキーワード: 兄妹、鷲、世界の終わり、良くも悪くも
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