甘いお菓子は食べません
田中兆子
2014年3月31日
新潮社
1,540円(税込)
小説・エッセイ
「もうセックスはしたくない」と夫から宣言された女。母になるか否かを考え続ける女。アルコール依存から脱することのみを目的に生きる女。ほんとうはもっと愛したい、もっともっと愛されたい、なのにー。すべて剥がれ落ちた果てに、彼女たちが見つけた欲望の正体とは。生きることの危うさと悦びを、迫力の筆致であぶり出す。第10回R-18文学賞大賞受賞作。
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(無題)
お菓子自体は食べるけれど、甘いのは嫌だ、と言っているのか、お菓子は甘いから食べないと言っているのか、変わった書名だけに気になるところだ。私にはどうも後者のように思える。女も40代ともなれば、そうそう甘い事は言ってられない。厳しい現実が突きつけられるからだ。 例えば結婚。第一話は、41歳にして生まれて初めてプロポーズされた女性の物語だ。そして第二話。無事に結婚にしたとしても、夫から「悪いとは思うけれど、『おつとめ』は引退したい」と言われたら、40代の健康な女の肉体は辛い思いをするだけだ。さらに物語りは展開する。47歳、バツイチの彼女にはSというセックスフレンドがいる。彼には中学2年生の息子とアルコール依存症の妻がいる。いずれの話も、主人公はすべて40代の女性。それぞれの立場で男との関係が描かれる。
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