八月の銀の雪
伊与原 新
2020年10月20日
新潮社
1,760円(税込)
小説・エッセイ
不愛想で手際が悪いー。コンビニのベトナム人店員グエンが、就活連敗中の理系大学生、堀川に見せた驚きの真の姿。(『八月の銀の雪』)。子育てに自信をもてないシングルマザーが、博物館勤めの女性に聞いた深海の話。深い海の底で泳ぐ鯨に想いを馳せて…。(『海へ還る日』)。原発の下請け会社を辞め、心赴くまま一人旅をしていた辰朗は、茨城の海岸で凧揚げをする初老の男に出会う。男の父親が太平洋戦争で果たした役目とは。(『十万年の西風』)。科学の揺るぎない真実が、人知れず傷ついた心に希望の灯りをともす全5篇。
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書店員レビュー(1)書店員レビュー一覧
みんなのレビュー (5)
(無題)
本屋大賞&直木賞ノミネート作品。 最後の参考文献の多さにびっくりした。すごいな。 なんだかなーー嫌いではないんだけど「科学×人情」みたいなの、短編立て続けに読むと、科学要る??って気持ちになってしまうような気もする。全編、科学的知識が強張った心をほぐしてくれるーーつまり、科学的知識を豊富にもっていて、それをわかりやすく見ず知らずの人に解説してくれて、人格的にも優れている聖人のような人がほぼ確実に出てくるわけで。そこがひっかかる。 科学者は単に職業のひとつなんだし理系なんてたくさんいるんだからさ、誰もが科学に対して真摯であるわけでも全員偏屈ででも心の奥底はきれいみたいな感じでもないと思う(そういう人はそりゃ多いけど) だから科学者を人情のだしにすんなやと思ってしまうというか。綺麗すぎて違和感がある。 伊与原さんが書く科学抜きの話が読みたいなあ。 ◯八月の銀の雪 コンビニで働く留学生と、就活がうまくいかない大学生の話 この話が一番すきかな、、 ◯海へ還る日 シングルマザーのお母さんと博物館の職員さん くじら流行ってんのか?? てかくじらが超音波出してるのってそんなにロマンチックかな〜〜なんの感情も抱けないや ◯アルノーと檸檬 伝書鳩の話。上司を無視して家に帰るラストシーン、かなり微妙。自分勝手では? ◯玻璃を拾う 珪藻をガラス細工みたいに並べる ◯十万年の西風 凧と気象と原発
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(無題)
直木賞の候補になるくらいだから、まー。間違いはないだろうくらいの気持ちで読み始めたのだが、その期待は大きく外れた。いや、良い方に外れたのだ。 まず第一に長編小説だと思っていたのが短編集であったことだ。これは直木賞候補ということで私が勝手にそう思い込んでいたのだから、外れてもなんということはない。問題は内容である。私にこんなジャンルの小説ってこれまでにあったであろか、との思いを抱かせたのである。つまり一言で言えば、科学と人間を絡ませた文学である。例えば表題作の「八月の銀の雪」ってなんのことだろうと誰しもが疑問に思う。それは地球の内核に銀色に輝く鉄の結晶、のことだそうだ。うん!良くわからないが、著者は東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻、博士課程修了とのことなので、つまりはそういうことなのだろう。その他にも宇宙までも届くザトウクジラの声、戻る家が無くなっても探し続ける伝書鳩、小さな珪藻を並べてつくるプレパラート、気象観測のためにあげる凧と気球と興味深い物語ばかりである。
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