僕の人生には事件が起きない

日常を面白い話にする切り取り方を知れた一冊。 図書館で借りて、館内で冒頭を読みはじめましたが 笑いそうになったので、帰宅してから楽しみました。 特に『メゾネットの庭の話』は爆笑！ 岩井さんの新刊が発売したら絶対にまた読みたいと思います！😆

考え方が面白い。表現の仕方も面白い。 日常の視点を変えようと思わせてくれる。

印象に残る章 ・仕方なく会った同級生にイラつかされる ・澤部と僕と ・おわりに

ネタ以外の文章など書いたことがないという、ハライチ岩井の初エッセイ。 ゴッドタンでの毒舌腐り芸人の印象が強いが、とても人間味があり、鋭い着眼点も散りばめられている25編。中でも「マニュアル至上主義の店」、「あんかけラーメンの汁を持ち歩くと」、「ルイ・ヴィトンの７階にいる白いペンギンを見張る人」、「仕方なく会った昔の同級生にイラつかされる」、「親戚の葬儀での面倒くささから救ってくれた父の一言」、「澤部と僕と」が良かった。 "普通に生活している日常を面白がりたい。毒にも薬にもならないどうでもいいことが笑えたりする。それが少し視点を変えるだけで全然違うように見えたりもする。（中略） 誰の人生にも事件は起きない。でも決して楽しめない訳ではない。平坦な道に見えても地面に頰を擦り付けてよく見てみると、いびつにぐにゃんぐにゃん曲がっていたりする。どんな日常でも楽しめる角度が確実にあるんじゃないかと思っている。僕は、事件が起きない僕の人生を、ここから見たら結構面白そうだな、という角度を見つけて皆さんに見てもらえたらと思う。"（「おわりに」より）

途中惰性化したけど、嫌なことがあったときにふと楽しめる感覚はこの本が初めて。