
小澤征爾さんと、音楽について話をする
小澤 征爾 / 村上 春樹
2011年11月30日
新潮社
1,760円(税込)
エンタメ・ゲーム
小説家はマエストロを聴き尽くす。東京で、世界の様々な場所で、時間を忘れ自由に語り合った一年に及ぶ日々。不世出の指揮者、その煌めく魂に触れる迫真のロング・インタビュー。
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指揮者はタクトを振るように語り、小説家は心の響きを聴くように描き留める。この本は、小澤征爾の「音楽家としての肉声」を、村上春樹が引き出しているという、ふたりのファンにとっては、たまらない一冊です。しかしながら、かなり読む人を選ぶ内容であるのも事実で、小澤征爾か村上春樹、せめてどちらか一方へ興味があるか、クラシック音楽のファンじゃないと、「ふたりの天才が、わけわかんない話をずっとしているだけの本」だと感じられる可能性が高そうです。何しろ冒頭でてくるのがバーンスタイン指揮する二ユーヨークフィルでグレン・グールドがブラームスのピアノ協奏曲を演奏の話です。ここからして相当年季の入ったクラシックファンでないとついていけない話です。 興味深いエピソードがさまざま語られているが、対談中、たまたまリズムの話になって村上が新人作家がその後伸びるかどうかは、文章を読めばわかると述べているいます。文章にリズムのある作家は、成長するのだそうです。この話を聞いた小澤は、ある選挙候補者のマニフェストがどうがんばっても三行しか読めなかった。「この人は駄目だなあ」と思ったらしい。それが要するに「リズムがない、流れがない」ということのようです。 小澤がミラノスカラ座で初めてオペラを振った時、聴衆からから大ブーイングを受けたと言う話は、非常に興味深く読むことができました。東洋人が数世紀にもわたる西洋音楽を理解できるのかという拒否反応ですね。一方でオーケストラのメンバーからは絶大な支持をされたそうです。それがシャワーという行為だそうです。小澤も初めての経験だったそうだが、なるほどと思われたました。 また、村上が本書の中でスイスの小さな村で、と言う文章を寄せていますが、この出来が秀逸です。弦楽器を学ぶ優秀な学生を集め小澤らが指導をしていく様子を述べているものですが、バラバラであった音がだんだんとまとまりを見せ、ついに優れた音楽に結実していく様がまさに弦の響きのように心地よいリズムと形容によってまとめられています。
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