ミカドの淑女(おんな)
林真理子
1990年9月1日
新潮社
1,494円(税込)
小説・エッセイ
その女の名は下田歌子。明治の宮廷を襲った一大スキャンダルに、伊藤博文、乃木希典、そして明治天皇らの思惑が入り乱れ…。当時の異様な宮廷風俗をまじえ、その奇々怪々たる真相を暴く問題作。
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ケムケム
下田歌子は稀代の妖婦かミソジニーの被害者か
ケース付きの美しい作りの本だ。最近の本にはこんな凝った作りの本はない。 しかしこの話は事実なのか。もしも事実なら、これは一人の女性に対する暴力だ。 確かに下田歌子は今の尺度からも貞淑な女性ではないかもしれない。しかし、公の新聞でこのように悪意のある報道をするとはおぞましい。これを本当に幸徳秋水がしたのなら、教科書に彼の名前を載せるのはやめてほしい。 林真理子は良い作品を書いたと思う。女性の作家でなければ書けなかっただろう。
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