夜のピクニック

恩田 陸

2004年7月30日

新潮社

1,980円(税込)

小説・エッセイ

夜を徹して八十キロを歩き通すという、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。生徒たちは、親しい友人とよもやま話をしたり、想い人への気持ちを打ち明け合ったりして一夜を過ごす。そんななか、貴子は一つの賭けを胸に秘めていた。三年間わだかまった想いを清算するためにー。今まで誰にも話したことのない、とある秘密。折しも、行事の直前にはアメリカへ転校したかつてのクラスメイトから、奇妙な葉書が舞い込んでいた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫るー。

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もこりゅう

第2回 2005年本屋大賞受賞作品

starstarstarstarstar 5.0 2023年10月23日

 恩田陸、いいじゃないかっ。「Q&A」以来、ミステリ好きとして最後が腑に落ちず、嫌煙してきた恩田陸だが、今回はその特徴が活かされた作品だった。ふわふわ終わるのがぴったりの小説である。  夜を徹して80キロ歩き、走る「夜行際」。ある高校で行われている行事である。高校生という特別な時間のなかで、特別な行事がスタートする。それぞれが、特別な感情を持って。そのなかでも、融(とおる)と貴子(たかこ)は、特別な間柄。このふたりはどうなっちゃうのよ、というストーリー。  これは、青春の物語であり、友情の物語であり、そして愛の物語なのである。登場するキャラクターがみな魅力的。さわやか三組である。高校生らしく、幼さと、大人っぽさが同居しており、生真面目で不器用で、読んでいて気持ちがよい。会話、心情ともに気持ちがよい。恩田陸だから、最後の最後になんかしでかすんではないか、とひやひやしていたが、前述どおりふわふわ。全編にわたってふわふわした、気持ちのよいさわやかさんな小説である。  ちなみにこの作品は、第2回 2005年本屋大賞受賞作品。本屋さんもなかなかやるなっ!  映画化するらしくて、サイトを観たら配役がなかなかよい感じ。特に貴子と忍は自分のイメージとよくあっていた。ちとみてみたい。

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古今東西の本棚

(無題)

starstarstarstar 4.0 2022年05月15日

本書は言わずと知れた青春小説の金字塔です。高校の行事で80kmを1日かけて歩くというのが、これほど面白い小説 になっていることが凄いです。ところで、噂の幽霊榊順弥の相棒ってどんな人だったんでしょうか?多分アメリカ人だと思うのですが。

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