
土の中の子供
中村文則
2005年7月31日
新潮社
1,320円(税込)
小説・エッセイ
私は土の中で生まれた。親はいない。暴力だけがあった。ラジオでは戦争の情報が流れていた。第133回芥川賞受賞作。
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(無題)
「土の中の子供」「蜘蛛の声」の二編。 暗い。自殺したいとか、人生に倦んでいるとか、そういう次元の話ではない。主人公の男は、幼少期親に捨てられ、親戚に虐待され、見知らぬ男たちに土に埋められた過去をもつ。彼は「不幸な過去をもつ人間が、不幸になる」サイクルから抜け出そうとするが、恐怖への渇望を止められない。 物を落下させたい衝動に取り憑かれる彼は、淡々としているが、どこか決定的にずれている。 ラスト、施設でお世話になったヤマネさんに父親と会うように言われ、「僕は、土の中から生まれたんですよ」「だから親はいません」といって去る主人公は、どこまでいっても過去から逃れられないのだろう。 救いがないのになぜか読んでしまうのは文が上手いからなのか… 「蜘蛛の声」も、なにが現実なのかわからなくなる構成に自己のあり方を考えさせられてしまう、怖い話だった。
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