フィッシュストーリー
伊坂幸太郎
2007年1月31日
新潮社
1,540円(税込)
小説・エッセイ
「なあ、この曲はちゃんと誰かに届いてるのかよ?」売れないロックバンドが最後のレコーディングで叫んだ声が時空を越えて奇蹟を起こす。デビュー第一短編から最新書き下ろし(150枚!)まで、小気味よい会話と伏線の妙が冴える伊坂ワールドの饗宴。
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もこりゅう
「ラッシュライフ」のスピンオフ
伊坂幸太郎作品のスピンオフ的な短編集。伊坂幸太郎はこれまでの作品のなかでも、作品間にリンクをもたせている。読み手としては発見があるたびにちょっとした喜びがあるし、おもしろい遊びだ。前にもいったが、年表とか作ると面白そう。まぁ、それはおいといて。んで、この作品はその集大成ともいうような、これまでの別の作品中の「バイプレーヤ」を「主役」とした作品だ。 夜の動物園でいつも寝ている男にまつわる思い出「動物園のエンジン」。ある村伝統の元生贄儀式、こもり様の裏にある真相とは「サクリファイス」。あるレコードの無音声部分からはじまる、世界を救う物語「フィッシュストーリー」。自らピタゴラスの定理を発見する青年が、ポテチを食べながら号泣する理由は「ポテチ」。全四編のオムニバス形式。 本作品はほぼ、「ラッシュライフ」のスピンオフと言っても過言ではなく、すべての話に「ラッシュライフ」に出てきたキャラクターが出てきている。とくに、伊坂幸太郎の小説への出席率No1を誇るのではないかと思われる黒澤が存在感を見せる。「サクリファイス」では主役を、「ポテチ」では脇役をと、軽いフットワークを見せている。また、本作のタイトルともなっている「フィッシュストーリー」は、スピンオフ要素が一番少ないが、寓話的で、映画の「ビッグフィッシュ」を少し思い出したりした。そう思ったら、全体的に最後にもうひとひねりほしかったなぁ、なんて思った。「ポテチ」の終わり方はさすが最近のものらしい、メリハリのあるエンディングに仕上がっている。
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