冬の物語

イサク・ディネセン / 横山 貞子

2015年12月18日

新潮社

2,640円(税込)

小説・エッセイ

ナチス占領下のデンマークで書かれ、作家自身がもっとも愛した短篇小説集。北欧の春は華やかに押し寄せ、美しい夏が駆け抜けると、長く厳しい冬がひたすらつづく。ナチス・ドイツ占領下にあった冬の時代、デンマークの人びとの生の営みを、大自然のなかに灯された命の輝きとして描きだす。『アフリカの日々』の作家が物語る力を存分に発揮した作品集。〈イサク・ディネセン生誕一三〇周年〉

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

小洒落た表紙とタイトルだったので手に取ってみました。最近の作家だと勝手に思っていたのだけどこの短編集は作家の母国デンマークがナチスドイツに占領されている時に書かれたものだとか。デンマークの旧家出身でスェーデンの男爵と結婚してアフリカで農場を経営していたという作者。農場の経営が破綻し男爵とも離婚して帰国したデンマークで最初は男性名で小説を書いてたらしい。今ではアンデルセンと並び称される国民的作家なのだそう。その作家自身が一番気に入っていたという本作、プロイセンの横暴な軍人が登場するものまで収録されていてよくナチスの検閲に引っかからなかったな、という感じ。その作品でも単に敵方の軍人だけが悪く描かれていないところが素晴らしい。第一遍こそよくできた物語、という感じだったけども後半に向かってどんどんシリアスで切ない物語になっていく印象。どれも優れた作品だけど個人的には特に「ペーターとローサ」に感銘を受けた。悲しくも美しいラストがなんとも言えず印象深い。素晴らしい作品だと思いました。

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