V.(下)
Thomas Pynchon Complete Collec
トマス・ピンチョン / 小山太一
2011年3月31日
新潮社
3,300円(税込)
小説・エッセイ
闇の?現代史の?随所に?痕跡を残す?謎の女?V.。19世紀末、スパイ蠢くエジプト・アレクサンドリア。『ヴィーナスの誕生』強奪が企まれるフィレンツェ。大不況期のNY下水道で神父を慰めたのは?第二次世界大戦末期、包囲爆撃下のヴァレッタに現れた司祭は。あるいは秘境の暗号名か?もしや絵画の頭文字?単に地名のヴェネズエラ?ヴィクトリア?ヴェロニカ?ヴェラ?…V.とはいったい誰なのか。そもそもいったい何なのか?次々と現れる手がかりが空前の謎を編み上げてゆくー。そしてステンシルとプロフェインはマルタ島へと吸い寄せられる。すべての始まりであり、すべての終わりであるその地へと。V、それは命。謎が謎を呼び、解釈が解釈を呼ぶ。読む者すべてが語りたくなる。天才の登場と評され、百科全書的と呼ばれ、無数の解釈が幾多の論文と研究書を生み、著者をポストモダン文学の旗頭に押し上げた衝撃のデビュー作。怪物の登場を刻む、記念碑的傑作。
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古今東西の本棚
(無題)
文学は人を選ぶと言いますが、まさにこの本に当てはまる言葉です。少なくとも通して2回読む必要があることを感じました。最初の印象は、映画金田一耕助の冒険を読んでいるような感覚でした。もしかしてドラッグとはこんな感じなのかもしれません。プロフェインは最後まで愚図なままだし、ステンシルはV.を追い続けるでしょう。V.とはなんだったか?いっそのこと、エピローグから読んだ方がピンチ ョン初心者には楽しめたかもしれません。
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