陰謀史観

新潮新書

秦郁彦

2012年4月30日

新潮社

814円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

誰が史実を曲解し、歴史を歪めるのか?そのトリックは?動機は?明治維新から日露戦争、田中義一上奏文、張作霖爆殺、第二次世界大戦、東京裁判や占領政策、9・11テロまで、あらゆる場面で顔を出す「陰謀史観」を徹底検証。またナチス、コミンテルン、CIAの諜報や、ユダヤなどの秘密結社、フリーメーソンと日本の関係も解明する。日本史に潜む「からくり」の謎に、現代史研究の第一人者が迫る渾身の論考。

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(無題)

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2.4 2018年01月29日

フィクションには歴史があるかもしれないが、歴史にフィクションがあってはならない。 本書は明治維新、日露戦争、張作霖爆殺、第二次世界大戦、東京裁判や占領政策まつわるものなど、歴史の流れに沿って順々に解説したうえで、本書の後半で著者がとりあげるのは、「田母神論文」だ。 当時、自衛隊の航空幕僚長だった田母神俊雄氏が、某ホテルグループの懸賞論文に応募、その内容が物議を醸し、田頼神氏は職を解かれ、その後、言論人として活躍するようになった経緯は、ご記憶の方も多かろう。 本書は個別の陰謀史観単体を扱うのではなく、当時の風聞、ペーパープラン、電文等の諸々の情報から、陰謀論を生み出す背景的なものの説明に終始している。 お遊びとして、私の陰謀史観を述べて見ることにしよう。 19世紀末から20世紀初頭の重要な時期に、アジア諸国で近代化に成功したのは日本だけだ。英国の隠れた支援がなければ、日本の明治維新も成功しなかっただろう。英国が日本を支援した理由は、大英帝国の戦略として、ユーラシア大陸の反対側の海上に浮かぶ島国という英国にとって都合の良い場所にある日本を近代化させ、ロシアや中国といったユーラシア内陸部の国々と戦わせ、大英帝国の世界戦略であるユーラシア包囲網を維持発展させようとしたことだろう。 日本は、英国のエージェントとして近代国家に仕立てられた。二つの世界大戦の間だけは、英国の覇権が衰退して日本は解き放たれ、大陸にできた覇権の空白を埋めて急拡大したが、英国が米国と再協調した後、日本は米英の策略に引っかかって真珠湾を攻撃し、やがて敗戦した。戦前も戦後も、日本がロシアや中国を敵視し続けるのは、英国のエージェントとして当然だ。冷戦構造の中で、日本が米英の西側陣営の不沈空母として機能したことも自然な流れだ。 だが今後、米英覇権勢力が衰退し、世界における日本の優位性が低下しかねない。日本は国際戦略の再検討を迫られている。

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