アジア・ジレンマ

青木保

1999年7月25日

中央公論新社

1,980円(税込)

人文・思想・社会

本書には、ここ8年ほどの間に発表したさまざまな論文が収められている。ソビエトと東欧の社会主義体制の崩壊にはじまる1990年代は、これまでになく激しく世界が揺れ動いた。その影響は著者のような文化研究に携わる者にも深くおよび、多くの問題を投げかけられずにはいられなかった。アジアにも日本にも、時代の大きな変化はおよんでいる。著者にとっては、この変化の中で、アジアをどうとらえるか、日本とアジアの関係をどう実りあるものとするか、また長年の研究課題である宗教や民族をめぐる問題をいまどのように考えたらよいのか、といった問題がポスト冷戦のこの十年間に、かつてなく強く迫ってきた。ここに集められた論考は、この揺れ動く変化の中で、何とかそうした問題に応えようと試みた結果である。

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