八日目の蝉
角田光代
2007年3月31日
中央公論新社
1,760円(税込)
小説・エッセイ
逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるのだろうか。理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。角田光代が全力で挑む長篇サスペンス。
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みんなのレビュー (4)
(無題)
一言でいえば、母性をテーマにした小説ですね。愛人の子供を誘拐した女・希和子の3年半の逃亡劇と、事件後、大人になった子供・恵理菜の葛藤を描いています。出生、愛情、家族などの日常的な事柄がサスペンス調に描かれます。 秋山丈博宅に侵入した野々宮希和子は、眠っていた赤ちゃん(秋山恵理菜)を見て衝動的に誘拐してしまいます。希和子は赤ちゃんに「薫」と名づけ、逃亡生活が始まります。警察の捜査が身近に迫っているのを知ると、希和子は所持金をすべて手放して謎の団体・エンジェルホームに身を隠すことにします。さらに小豆島に逃亡して希和子と薫はしばし平穏な生活を送るのでした。 希和子が逮捕されて17年後、秋山恵理菜は大学生になり、過去の出来事を忘れようとしていました。恵理菜は妻子持ちの岸田と付き合う中で、希和子と同じ道をたどろうとしていることに葛藤するのです。恵理菜は自分を誘拐して家族をめちゃくちゃにした希和子を恨んでいるのですが、自分も希和子と同じように妻子持ちの男性と恋に落ちて妊娠してしまいました。希和子と同じ事をしていると思うとぞっとします。愛されたことがない自分が、子供を育てられる訳がないと堕胎を決意しますが、自分の過去を調べるうちに“希和子からの愛情”を思い出して、育てる決意をするのでした。
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橘薫
「母親」の愛と業
最後の方は涙がはらはらと溢れるほどに感情が揺さぶられた。 母性の強い人には堪らないだろう。 生みの親より育ての親という言葉があるが、薫(恵理菜)にとっての幸せな思い出は、誘拐犯である希和子だったのではなかろうか。 希和子と恵理菜、生まれてくる子供の3人で幸せに暮らすエンディングを脳内で補完しておこう。
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