52ヘルツのクジラたち
単行本
町田 そのこ
2020年4月21日
中央公論新社
1,760円(税込)
小説・エッセイ
52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。
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みんなのレビュー (32)
一気に引き込まれる本屋大賞の読みやすさ!
とは、裏腹に内容は壮絶... 52ヘルツと言う、仲間に届くことのない周波数で鳴くクジラ。世界で一番孤独と言われるこのクジラが、この物語の主人公たちを表してる。 主人公と、主人公が出会った少年が受けた虐待は凄まじく、本当にこんなことってあるんだろうか?と疑いたくなる。 あまりの酷さに目を背けたくなる内容だけど、冒頭からの展開や、読みやすい文章で一気に引き込まれてしまった。 結末も、ものすごく理想的やけど、現実的な部分も抑えていて希望が持てた。 この話のように、52ヘルツの声が誰かに届くことって、ごく稀なことなんやろうと思う。 思うけども、そうであってほしい。 そうであることが、ただの願いじゃなくて、 少しでも現実に近づけられるよう、 その声を聞ける人になりたい。 いやー、むずかしい。 無理ちゃうか? いやいや、諦めたらあかんやろ? いやーでもできる気がせん、 いやいやいや、そんなん言ったら始まらん!! いや、でもなー、、、 ぐるぐるぐるぐる、、、、
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読みやすかった
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聞こえる人には聞こえる
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(無題)
主人公、キナコの、私かわいそうでしょアピールがすごくて鼻についてしまうのと、そんなキナコを2人の男も友人も溺愛しているって構図が、典型的少女漫画っぽくて嫌だった。 幼少期から虐待を受けていたのに、虐待をするに至った母親、父親の心情が雑で、いまいち入り込めなかった。少年(ムシ、いとし)が虐待されるのもよくわからなかった。 これこれこういう行動と環境があって、あーたしかにこういう状況だったら子供に手をあげてしまうのかもしれないな、、、と少しは思いたかったというか。 アンさんも死ぬ必要あった??という感じ。自殺するほどかな、、そんなにキナコ好きか‥? 系統としては流浪の月に近いのかもしれないけれど、似て非なるもの、という感想。 あと、中身激重なのにこのポップな装丁にしたのはなんでなんだろ。温度差にびびった。
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どんな人も完全ではない。
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(無題)
虐待され居場所を失った女性が、同様の虐待児を助け(られ)ます。 「かがみの孤城」から「流浪の月」、本作と、本屋大賞は近年、社会的弱者に寄り添う作品が選ばれる傾向と感じる。そのようなマイノリティは(当たり前だが)元々存在していて、今まで黙殺されていた、存在しないこととされていたのが、やっと光が当てられてきた、ということだろうか。 52ヘルツという音しか出せないクジラの声は、他のクジラには聞こえない。それが主人公達に例えられる。ただ、私達人間の場合、誰しもが、オープンできる部分と、隠したい(見られたくない)部分を持っていると思う。主人公達だけでなく、加害者も、救済者も、その他の人も、誰もに52ヘルツの部分はあるのではないだろうか。 詳細は省くけれども、ラストを読むと、52ヘルツを聞こえないものと諦め、閉じこもっては事態は好転することなく。聞こえない声を聞いてもらうには、救ってもらうには、結びつきを信じ、頼るべきというメッセージかと感じた。 社会を結局は信じられるものとするか、否かは、同様の「弱者に寄り添う小説」と大きく差別化される。前者の方が救いがあるが、そんな簡単なもんでもないよな、とも思う。
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HONAMI
深い悲しみを持つ人の声なき声が聴こえる
読書仲間におすすめされたので読んだぞ🤤🦏 虐待の認知件数は20万件。認知されてない件数は3-4倍じゃないかなと思ってる。じゃあその20万件は解決されるのか、そんなわけないんだよな。一生物の傷を誰にも知られず、生きている子供たちがいて、その子供が大人になって、誰からも知られずに生きていくしかない人が沢山いるはず。よく被虐待経験のある人同士はなにか神秘的な縁でお互いにそれを察知し合えることがあるという。52Hzはその不思議な縁を表しているんじゃないかな。強烈な悲しみにふと共鳴できる相手がどこかにいるはず。
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