プル-ストからコレットへ

いかにして風俗小説を読むか

中公新書

工藤庸子

1991年5月1日

中央公論新社

662円(税込)

新書

世紀末から1920年代、パリの文壇にあった2人の作家は、政治思想や倫理道徳の価値基準とは無縁の世界を生き、書き綴った。それが過ぎ去った時代の証言としてたえず読み返されるのはなぜか。小説だけがすくいとることのできる時代精神のありよう、すなわち「風俗」があざやかに映し出されているからである。本書は「風俗を反映しつつそれ自体が風俗的存在でもある文学」という観点から作品を読み、時代の中に位置づける試みである。

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