眠りと文学

プルースト、カフカ、谷崎は何を描いたか

中公新書

根本美作子

2004年6月30日

中央公論新社

814円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

スタンダールの言葉にあるように、小説=フィクションは人生を映し出す鏡でなくてはならなかった。しかし二〇世紀は、この鏡の姿に魅せられ、フィクションに対する現実の優位性がぐらつき始めた時代となった。それはプルーストとカフカとともに始まり、谷崎において“現”という特別な形で現れている。眠りの次元を取り込んだ彼らの作品を読み解き、人間の存在と意識に投げ掛けられた新しい光を浮かび上がらせる。

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