批評理論入門

『フランケンシュタイン』解剖講義

中公新書

広野由美子

2005年3月31日

中央公論新社

902円(税込)

新書

批評理論についての書物は数多くあるが、読み方の実例をとおして、小説とは何かという問題に迫ったものは少ない。本書ではまず、「小説技法篇」で、小説はいかなるテクニックを使って書かれるのかを明示する。続いて「批評理論篇」では、有力な作品分析の方法論を平易に解説した。技法と理論の双方に通じることによって、作品理解はさらに深まるだろう。多様な問題を含んだ小説『フランケンシュタイン』に議論を絞った。

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眺 良太郎

英文学作品(だけに限らないが)読解に必須の書か

starstarstarstarstar 5.0 2022年03月24日

批評理論というと取っ付きにくいが、小説を読むときに踏まえておくとより一層作品理解が深まるという押さえどころが、過不足なくわかりやすく示されている。たまたま『フランケンシュタイン』を題材としているが、あらゆる文学作品に通じるまったく普遍的な内容。英文学に限らないが、英文学作品読解のためには必須の書。このあと刊行される『小説読解入門』も合わせて読むべし。

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