中先代の乱

北条時行、鎌倉幕府再興の夢

中公新書 2653

鈴木 由美

2021年7月20日

中央公論新社

902円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

建武2年(1335)7月、信濃で北条高時の遺児時行が挙兵した。破竹の勢いで鎌倉を落とした彼らの動きに、時の政権は戦慄する。後醍醐天皇、足利尊氏、護良親王など多くのキーマンの運命を変えた反乱の内実を読み解き、その歴史的位置づけを示す。

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toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

恐らく来年の大河ドラマを意識して出されたのだと思われる作品。鎌倉幕府が崩壊した時に実質的に権力を握っていた執権の北条一族は一族郎党の殆どが鎌倉で自害して果てたのだけれど討幕後の後醍醐天皇の政治に不満を持つ武士たちの反乱が相次ぎ最終的には討幕の中心的存在だった足利氏が後醍醐天皇を追いやって新たに幕府を立てた、という歴史の流れがあるけれども本作で取り上げられているのはその反乱が北条一族の残党が中心であるものが多かった、という話。中先代の乱、は教科書にも載っていて最後の執権の遺児が信州で蜂起して鎮圧された、みたいなさらっとした記述だったように記憶している。往時もうっすら疑問だったのだが、なぜほぼ一族郎党が自刃して果てた中でどうやって鎌倉から逃れなぜ信州で蜂起したのか、また鎮圧された後にどうなったのか、というような点が明確にされていて興味深い。作者も中学時代にその辺りに疑問を感じたらしく結果的にこのような作品を書くに至ったその経緯も面白い。メインストリームの歴史ではないけれどもこういう言わば歴史の細部を掘り下げて行くとまだまだ面白いストーリーがあるのでは、と思った。非常に面白かった。

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