五つの証言

中公文庫

トーマス・マン / 渡辺一夫(フランス文学)

2017年8月22日

中央公論新社

880円(税込)

文庫

第二次大戦前夜、狂信主義に抗して戦闘的ユマニスムの必要を説いたトーマス・マン。戦争末期、空襲が激化するなか、マンへの共感から戦後を見据えて翻訳をした渡辺一夫。この渾身の訳業によるマンの文章と、寛容論ほか渡辺の代表的なエッセイ、中野重治との往復書簡を併せて一冊にする。文庫オリジナル。

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Eugene

理想主義

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2.7 2020年01月31日

戦後、昭和のある年代までは、ヒューマニズム・人道主義と言う思潮があった。 理想に幾らかでも近づいて努力するのが、太平洋戦争で失敗し、日本人の名を汚した我々の責務である、との深層心理が誰にもあった。 その顕れは種々であったが、例えば、 国連至上主義、原水爆禁止運動、etc.があった。 これらは、別に左翼と言われた方々の専売特許ではなく、誰しもが、出来れば、そうしたい、そうなれば良い、と考えていた筈だ。 そんな戦後日本人が、何故、今の様に変わってしまったのか? 一種、哀しむべき事かもしれない。 当著作は、そんな日本人の心情に極めて近いもの。 トーマス・マンの小文と渡辺一夫さんのを集めている。 一体、明治末年代からの日本には、白樺派など、理想主義をベースにした思潮が底流の一つとして、厳に存在していた事を思いだして欲しい。 世の中、リアリストだけでは廻らない事を考えてみて欲しい。 Eugene

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