殲滅ノモンハン機動戦（上）

昭和十四年五月、ノモンハンに対峙する日ソ両軍はついに宣戦布告なき全面武力衝突に突入した。満蒙国境にほど近い北満州油田をうかがうソ連軍に対し、関東軍は無謀にも戦車戦を挑む。だが時代錯誤の突撃を繰り返す関東軍戦車は、ソ連の圧倒的火力と巧みな戦術の前に次々と擱座。最新鋭の九七式中戦車でさえＢＴ戦車の分厚い装甲に歯が立たぬ中で、少数配備された新型一号砲戦車だけがＢＴ戦車を討ち破る能力を秘めていた。守勢に回った日本はソ連機甲師団を押し戻すことができるのか。