
みの虫
大内力
1998年11月30日
東京大学出版会
3,300円(税込)
小説・エッセイ
今年の六月でとうとう満80歳に到達した。80まで生きるなどということは考えたこともなかったし、どの道みの虫よろしく袋の中に籠ってぶらぶらしながら隙間から世の中を見物してきたにすぎないから、格別の感慨があるわけではない。それでも、顧みればこの10年、世界にも日本にもずいぶんいろいろなことが起こり、世は様変りといってもいいほどの変化を遂げた。みの虫の蓑も冷い時雨に濡れしょぼった。そうした状況に触発されて時々にぶつくさと書きなぐった雑文も、いつの間にやら相当の量になった。還暦のときの『旅びと』、古希のときの『冬ごもり』についで『みの虫』をまとめようと思い立ったのも、傘寿自祝というだけのことでなく、隙間から覗いた歴史の変転を回顧するのに多少は役立つかもしれないと考えたからである。
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