
イギリス風景式庭園の美学 増補新装版
〈開かれた庭〉のパラドックス
安西 信一
2020年5月27日
東京大学出版会
8,140円(税込)
序 楽園と普遍言語 一 庭園の翻訳不/可能性 ニ 十七世紀の楽園復興運動から風景式庭園へ 三 〈開かれた庭〉のパラドックスとその歴史的有用性 第一部 風景式庭園の淵源(十七世紀)--〈閉ざされた庭〉から〈開かれた庭〉へ 第1章 〈閉ざされた庭〉のパラドックスと庭園破壊ーー十七世紀前半 一 マリアの庭 ニ 自然の感覚的快と不規則性 三 ストアの庭 四 ピューリタン革命へ 第二章 復楽園としてのイギリスーーピューリタン革命期のハートリブ・サークル 一 公共的活動世界へーー千年王国論的シヴィック・ヒューマニズム ニ 農業改良によるイギリスの楽園化 三 半世紀前の風景式庭園論論的ーービールの〈開かれた庭〉 第三章 シヴィック・ヒューマニズムとエピクロス主義ーー王政復古期 一 ピューリタン革命の遺産と王立協会 A 断絶と連続 B 自然科学と〈開かれた庭〉としての自然 ニ 文人科学者(ヴァーチュオーゾ)イーヴリン A 革命期との連続と自然嗜好 B 公共的活動としての植林 C 公共的活動の顕揚 三 エピクロス主義復興と現状維持 A 開かれた田園の快ーー〈隠遁のパラッドクス〉の世俗化・水平化・脱=隠喩化 B カウリーの快楽主義的楽園 C テンプルーー不規則的中国庭園と風土説 第二部 公共の精神からの風景式庭園の誕生(十八世紀前半)--主導的言説の再精査 第四章 庭園の立憲君主制ーーアディソンにおけるブルジョワ性と相乗的関係化 一 アディソンの夢ーー『タトラー』における政治と風景 ニ 隠遁・植林・自然観想ーー土地とブルジョワ 三 「想像力の快」--相乗的関係化の美学 四 『スペクテイター』における風景式庭園論 第五章 不協和な協和ーーポープにおける商品化批判と両義性の詩学 一 自然とカタログーー『ガーディアン』における問題の潜在 ニ 『バーリントン卿への書簡詩』--商品化批判の政治的先鋭化 三 有用性の次元ーー「消費」と「清められた出費」のあいだ 四 土着性の次元ーー人工と自然のあいだ 第三部 風景式庭園の変質(十八世紀後半から十九世紀へ) 第六章 夢想の美学の成立と解体ーー完全な〈開かれた庭〉のイリュージョンとその消長 一 草創期風景式庭園論の危機 A 庭園の不自然と人工の劣位,観者の分裂 B 公共的有用性の欠如ーーシヴィック・ヒューマニズムへの挑戦 ニ 「夢想」--イリュージョンの体験 三 イリュージョニズムの解体ーー十八世紀末から十九世紀へ A ブラウンへのイデオロギー批判 B 夢想の変質とピクチャレスクの美学 第7章 〈開かれた庭〉の終焉ーーレプトンによる十八世紀的プログラムの脱=神話化 一 専門家の自立と総合性 ニ 自然と人工の疎隔 三 美と農業の疎隔 結 内部としての庭園/外部としての庭園 解説ーー庭園美学の(不)可能性をめぐる根源的考察(小田部胤久) Paradoxes of the Hortus Apertus: Aesthetics of the English Landscape Garden [Expanded Revised Edition] Shin-ichi ANZAI
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