認知科学講座2 心と脳

川合 伸幸

2022年10月26日

東京大学出版会

3,520円(税込)

人文・思想・社会

非侵襲的脳機能測定法やニューラルネットワークなどの解析法の発展により、高次認知機能を担う脳の研究が展開されるようになった。第2巻では多様な側面から実体としての脳に迫り、「認知神経科学」の範疇に収まらない、「脳」の包括的理解を志向する認知科学が確立されつつあることを示す。 序 認知科学における「脳」研究の来し方行く末(川合伸幸) 第1章 知覚の神経基盤(楊嘉楽・山口真美)  1 認知神経科学とその方法   2 視覚   3 体性感覚   4 多感覚知覚 第2章 恐怖学習と脅威検出の神経機構(川合伸幸)  1 はじめに  2 恐怖の中枢としての扁桃体  3 恐怖の学習と扁桃体   4 恐怖条件づけにおける扁桃体の役割  5 脅威に対する防御反応と恐怖の違い  6 生得的な脅威対象と経験による脅威対象  7 扁桃体へ至る低次経路と高次経路   8 視覚の低次経路 網膜─上丘─視床枕─扁桃体   9 脅威対象の迅速な検出   10 ヘビ認識の神経機構   11 おわりに──ティンバーゲンの四つの問いとマーの三つのレベルの説明 第3章 深層学習による脳機能の解明(林 隆介)  1 はじめに  2 脳の視覚物体認識処理  3 脳モデルとしての深層ニューラルネットワーク  4 脳とDCN の違い──教師あり学習モデルの限界  5 教師なし学習モデルの発展   6 自己教師あり学習手法   7 生成モデルを用いた教師なし学習手法  8 対照学習に基づく教師なし学習  9 おわりに  第4章 脳と社会的認知(平井真洋)  1 社会脳仮説と脳の設計原理  2 社会的知覚処理に特化した経路   3 他者の表層に顕在化するセンシング可能な情報の処理  4 他者の心的な情報の処理   5 社会性のスペクトラムからヒトの社会性をとらえ直す  6 特定の集団の比較から見えてくるヒト社会性の輪郭  7 おわりに 第5章 脳─環境─認知の円環に潜む人類進化の志向的駆動力      ──三元ニッチ構築の相転移(入來篤史・山崎由美子)  1 人類進化の駆動力とその作用  2 三元ニッチ構築第1相   3 三元ニッチ構築第2相   4 人間性のゆえん   5 人類の脳/認知進化が包摂するパラドックス 第6章 意識の神経基盤──クオリア構造と情報構造の関係性を圏論的に理解する(土谷尚嗣)  1 歴史的背景   2 現在の意識研究の主な方向性  3 クオリアどうしの関係性からクオリアを特徴づける──米田の補題  4 クオリアと報告の関係性は「随伴」ととらえられるか   5 まとめ  6 今後の展望──クオリア構造・情報構造・その間の関係性  第7章 心の自然化(鈴木貴之)  1 哲学的自然主義  2 志向性の自然化  3 意識の自然化  4 自然主義的な認知の理論  5 まとめ

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