現代中国経済入門
人口ボーナスから改革ボーナスへ
蔡 ボウ / 丸川 知雄 / 伊藤 亜聖 / 藤井 大輔 / 三竝 康平
2019年12月27日
東京大学出版会
3,740円(税込)
ビジネス・経済・就職
中国は1978年の改革開放政策によって,いまや世界第二の経済大国となり,世界経済に大きな影響力を及ぼすようになった.本書は改革開放から現在にいたる中国経済の発展を,経済学の古典的な理論を駆使し,中国の著名な経済学者が精緻に解説した,現代の中国経済の最良の入門書. 序 章 第1章 長期発展の曲がり角 1 中国経済の展望 2 大分岐と大収斂 3 新古典派的収斂論の誤り 4 高度経済成長が減速する時期とその理由 5 結論 第2章 二重経済の発展 1 ルイス・モデルの中国への適用可能性 2 農業の余剰労働力 3 余剰労働力の推定 4 労働移動 5 結論 第3章 ルイスの転換点 1 労働力不足 2 労働需要の変化 3 賃金の上昇と収斂 4 結論 第4章 人口ボーナス 1 経済成長の人口的要因 2 中国の人口転換 3 中国経済の成長会計 4 人口ボーナスの消失 5 結論 第5章 未富先老 1 早熟な人口高齢化 2 第二の人口ボーナスはあるか? 3 貯蓄への誘因と年金制度 4 退職年齢と労働供給 5 結論 第6章 中所得国の罠に陥るリスク 1 中所得国の罠の理論的基礎 2 外国の経験と実証的証拠 3 中国の経済成長に対する含意 4 結論 第7章 経済成長の新たなエンジン 1 資本の収穫逓減の法則 2 国内における雁行形態型発展 3 創造的破壊のメカニズム 4 政策的なゆがみの回避 5 結論 第8章 移行期のマクロ経済政策 1 中国経済における不均衡はどこにあるのか 2 中国の潜在成長率 3 景気刺激策の潜在的な代価 4 結論 第9章 人的資本の蓄積 1 産業高度化と技術に対する需要 2 労働市場における教育のインセンティブ 3 中国は「過剰教育」の状況にあるのか? 4 教育の発展に対する政府の責任 5 結論 第10章 所得不平等の削減 1 クズネッツの転換点に関する新たな事実 2 経済成長と所得分配 3 所得分配に関する議論 4 相対立する見方の間の共通点 5 結論 第11章 労働市場制度と社会保障 1 労働市場の転換 2 増大する労働市場制度への期待 3 政府の役割の転換 4 社会保障の発展 5 結論 第12章 改革のボーナスを獲得する 1 中国の改革は行き詰っているのか? 2 新段階の改革の特徴 3 改革ボーナスはどこにあるのか? 4 結論 解説(丸川知雄) 1 本書の特色と著者 2 ルイス 3 リカード 4 マルクス 5 ルイス理論がなぜ現代中国に当てはまるのか? 6 日本経済 China's Economic Growth Prospects: From Demographic Dividend to Reform Dividend Cai FANG Japanese Translations by Tomoo MARUKAWA, Asei ITO, Daisuke FUJII, and Kohei MITSUNAMI
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