ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
ジョナサン・サフラン・フォア / 近藤隆文
2011年7月31日
日本放送出版協会
2,530円(税込)
小説・エッセイ
「パパがどんなふうに死んだか知る必要があるんだ」「なぜ?」「そしたらどんな死に方をしたか発明しなくてもよくなるから」9.11の物語。世界的ベストセラー待望の邦訳。
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starstarstar 3.0 2020年02月10日
同日に書籍と映画を鑑賞した。正確に言うと書籍が先だ。前衛的で複数の人生が並行していて、他の人のストーリーは正直私に取っては不要で最後まで主人公のストーリーのみを拾い読みした。9.11からの精神の動揺の描写がよく出来ていたし、映画の主人公も書籍の人物像をよく捉えていたと思う。 ここからはどちらかと言うと映画を思い出しての感想になるが、普通に考えると主人公の少年の行動はそうそう出来るものではない。アメリカであれば尚のこと、見知らぬ人が訪ねてきたら射殺される可能性だって拭いきれない。だが、そんな恐怖や危険を冒してまで父親の面影を探したい一心だったのだろう。鍵を明け渡し喪失感で爆発しかけた主人公が、母の想いと行いが重なっていたことに気付いたエピソードの部分には思わず涙が流れた。
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toruo
(無題)
同じく9.11を描いたドン・デリーロの「堕ちてゆく男」の感想をFacebookに書いたところこれもいいよ、と推薦してもらったので読みました。 最近読んだ所謂純文学では最高に面白かった本のうちの一つでした。 実に良かった。 話自体は実に哀しくて、9.11で父親をなくしPTSD気味の男の子が主人公。 学校にもあまり行けず、高いビルに登るのも怖く、公共交通機関も怖くて使えない。 自傷行為もするしたまに学校に行っても完全に浮いている。 彼が父親の部屋で見つけた「ブラック」と書かれた封筒に入った鍵の鍵穴をて探してマンハッタン中のブラックさんに会いに行くというのがメインのストーリーです。 これと彼の祖父母の話が交差しながらストーリーが展開していきます。 彼の祖父母はドレスデン爆撃の生き残りで。 といっても陰惨な感じでは無く、むしろユーモラスな語り口。 写真や、誤字だらけで赤の入ったページなど視覚的な効果も使いつつ語られます。 僕はドレスデンがテーマということもあって、深刻なテーマを一見ユーモラスに語るところなど、ヴォネガットを思い出しました。 そう言えば、初めて村上春樹を読んだ高校生の時、この人はヴォネガットが好きなんだろうな、と思ったのですがちょっと似た雰囲気があるかもしれない。 あくまで個人的な感想ですけども。 実に面白かった。これはオススメですね。
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