ネパール王制解体

国王と民衆の確執が生んだマオイスト

NHKブックス

小倉清子

2007年1月31日

NHK出版

1,276円(税込)

人文・思想・社会

ヒマラヤの山峰に抱かれ、世界遺産都市カトマンズを首府とするネパール。平和に見える小国では21世紀に入っても、中世さながらの絶対王制が営まれてきた。1990年の民主化から数年、地下に潜った小政党は、毛沢東主義革命を目指し、武装闘争を拡大。たった2挺のライフルから、近代武器を備えた1万を超える軍隊を抱える勢力にまで成長した。2006年春、ついに動き出した何十万もの民衆が、カトマンズを取り巻く道路を埋め尽くす。七政党は武器を降ろしたマオイストと共に、国王に与えられた全特権を奪い取った。5年以上にわたり現地において丁寧な聞き取り取材を進め、地下に潜った活動家やマオイストの武装勢力の指揮官たちへの突撃取材を重ねた孤高のジャーナリストが虚々実々のネパール近現代史を、迫真の筆致で描く意欲作。

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