ガンディー獄中からの手紙
NHKテキスト 100分de名著 2017年2月
日本放送協会 / NHK出版
2017年1月25日
NHK出版
576円(税込)
小説・エッセイ
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すけ
まさに今、私たちが学ぶべき思想
晩年のガンディーが獄中にて、弟子たちに向けたメッセージとして書いた手紙をまとめた書物である。 ガンディーといえば、なんと言っても「非暴力・不服従」で有名であるが、そのルーツと彼の思想が端的にまとめられている書物といっても差し支えない、と中島氏は語る。 まず驚かされるのは、ヤング・ガンディーが中々に問題児であった、という事実だ。 齢12歳で肉食・タバコを覚え、女遊びに耽るなど、欲という欲に囚われていたという。 しかし、父親の死・南アフリカでの屈辱的な経験などを機に、「差別是正」や「独立」に向けた運動を指揮するようになり、その過程で自身の宗教的思想を深めていったとある。 彼の思想は側から見ると非常に厳格で、遵守するのは極めて困難だ。「あらゆる欲望の徹底抑制」を強いたからである。 しかし、彼はそういった制限の元で「自らを変えねば、社会が変わることはない」と率先垂範を貫いた。 「自らを省みる」という点では、相手への「怒り」を自身の暴力性と捉え、それ断食等でセルフコントロールし、相手に内発的な自省を促す「非暴力」の精神は、その最たる例と言えるだろう。 「人間は完璧になれない」と若き日の経験から悟った彼だからこそ、それに打ち勝ち「善く生きる」術、また「善く生きることのできる」社会を求めたのではないだろうか。 本書で扱われている晩年ガンディーの思想は、どれも彼のそういった想いから生まれたものだと解釈できる。さらに近代化の進んだ私たちが学ぶべきことも沢山あった。 馴染みの無いガンディー像に面くらいながらも、逆に親近感を持って彼の思想を理解できたと思う。 原著や自伝もにもあたり、彼の真意を掴みたい。
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