
カント『純粋理性批判』 2020年6月
100分 de 名著
西 研
2020年5月25日
NHK出版
576円(税込)
人文・思想・社会
近代哲学の最高峰が、手に取るようにわかる! カントの主著『純粋理性批判』は、哲学のあり方を根底からひっくり返すインパクトを持つものの、専門家ですら読み進めることに困難を極める一冊。重要性も難解さも哲学史上の最高峰だ。しかし晦渋な言い回しを西研流に解きほぐしてみれば、カント哲学の核心は思いのほか明快だった!私たち人間は何を認識し得るのか?ア・プリオリとは何か?人間に備わる悟性とは?西洋哲学の最重要古典が「100分de名著」にいよいよ登場!
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すけ
学問の体系を変えた大天才
カント、純粋理性批判。 昨年哲学に興味を持ち始めてから、いつかは挑戦したいと考えていた本の一つ。 しかし、その前評判と、タイトルからも溢れる難解さから少々ビビっていたため、恒例の100分de分de名著にすがり付いた次第だ。 西先生によれば、カントの主張はごくシンプルで、「答えが出ない問いに時間割くのやめろ」というものだという。 なんでも、カントの生きた18世紀ごろの哲学界隈では、「神は存在するのか」や「宇宙に果てはあるのか」など、人智の範囲では辿り着けない問いに汲々とする人が多かったらしい。 カントは、それを「理性の暴走だ」と一蹴し、そのような暴走に陥る「理性」の原理解明と、新しい学問の体系を提言したのが、本書「純粋理性批判」である。 つまり、「批判」がメインの論旨ではないのだ。これは予想と違って非常に興味深かった。 彼の「理性」への憂慮とその説明は、下馬評通りひどく難解で、まさに「カントワールド」が繰り広げられている。 しかし、西先生の非常に平明な解説と構成により、 私たちが過ごす世界は「各個人の主観」であるが、「感性」と「悟性」によりそれを「客観的」な像として捉えている。 そして、その「感性」と「悟性」が働く世界が、私たちが「理性」を用いて思考できる限界だ。 という彼の主張は理解できたし、その考え方のすごさも実感できた。 実際、この「純粋理性批判」の出版後、「神の存在」等を哲学する人々は極端に減少したという事実からも、その影響力がうかがえる。 原著挑戦はまだ先のことになるだろうが、もう一冊の著作「永遠平和のために」も100分de名著から解説本が出てるので、目を通してみたい。
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