黄金の魔獣

ハヤカワ文庫

タニス・リー / 木村由利子

1996年8月31日

早川書房

789円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

「狼」と呼ばれるダイヤモンドを手にした瞬間、美貌の青年ダニエルの運命は変わった。満月が昇るたびに狼に変身し、殺戮を繰り返すようになったのだ。人間たちを血祭にあげながら、ダニエルはダイヤに導かれるように故郷の村へと舞い戻る。懐かしい地で出会ったのは焔のごとく赤い髪の美しい女。ダニエルと女はダイヤの魔力の命ずるままに激しい恋に落ちた…ファンタジイ界の女王が贈る華麗なるロマンティック・ホラー。

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstar 3.0 2021年11月20日

父親殺しのダニエル・ヴェームンドは東洋にて「狼」と名付けられたダイヤモンドを手に入れる。その時をさかいに彼は満月のたびに熊のような奇妙な獣へと姿を変え、殺戮の限りを尽くすようになる。 タニス・リーお得意の変身譚だが、満月というあたり民間伝承の人狼譚を下敷きにしている。またジェヴォーダンの獣事件を彷彿とさせる。石が関わっている(うろ覚えだが)というあたり、パラディスの秘録の『幻獣の書』に似ているが、パラディスと比べれば、淫靡でも耽美でもない。それでもリーの面目躍如というか、修飾語と隠喩が多く、色彩豊かにして流麗な文章は健在。この点で、ただのエンタメ作家との力量の違いを実感する。 少々残念なのは、殺戮シーンがやたら多いのと、ラストが妙にあっさりしていて竜頭蛇尾な感じがするという点。それでもタニス・リーらしくはあった。

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あめさと

(無題)

starstarstar 3.0 2021年07月10日

父親殺しのダニエル・ヴェームンドは東洋にて「狼」と名付けられたダイヤモンドを手に入れる。その時をさかいに彼は満月のたびに熊のような奇妙な獣へと姿を変え、殺戮の限りを尽くすようになる。 タニス・リーお得意の変身譚だが、満月というあたり民間伝承の人狼譚を下敷きにしている。またジェヴォーダンの獣事件を彷彿とさせる。石が関わっている(うろ覚えだが)というあたり、パラディスの秘録の『幻獣の書』に似ているが、パラディスと比べれば、淫靡でも耽美でもない。それでもリーの面目躍如というか、修飾語と隠喩が多く、色彩豊かにして流麗な文章は健在。この点で、ただのエンタメ作家との力量の違いを実感する。 少々残念なのは、殺戮シーンがやたら多いのと、ラストが妙にあっさりしていて竜頭蛇尾な感じがするという点。それでもタニス・リーらしくはあった。

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