over the edge
ハヤカワ文庫
堂場瞬一
2015年4月30日
早川書房
880円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
視察のため来日したニューヨーク市警のブラウンには裏の目的があった。東京で失踪した旧友を個人的に捜すのだ。旧友は世界的IT企業の幹部で日本支社設立に動いていた。だが調査開始直後、ブラウンは何者かに襲われる。彼を助けたのは元刑事の探偵・濱崎だった。面白いから手伝うという濱崎にブラウンは反発を覚えつつも、いつのまにか手を組むことになり…二人が人種や立場の境(エッジ)を越え辿りついた真実とは?
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確かにそうだな。
赤坂見附駅、三宅坂、祝田橋、西新橋一丁目の交差点を四つの角にする変形的な四角の中に、日本の中枢のほとんどが入っていると言っていいだろう。国会議事堂、各省庁、そして警視庁と警察庁。そこに隣接した場所に赤坂の繁華街があり、ヤクザが日夜闊歩しているのも妙な感じだったが、それも当然なのだと思い直す。 悪は、権力に擦り寄るものだ。物理的にも、心情的にも。 (P.16)モーリス・ブラウン 一度失敗した人間は、そこから教訓を学ぶ。どこが失敗への転換点だったかを知り、二度と同じことを繰り返さないように気をつけるものだ。だが、人生は将棋のようなものである。一人で指すわけではく、相手のペースに合わせることも考えなければならない。相手が自分より腕が上なら、負けるだけだ。 (P.336)濱崎
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