5分間SF

リアムタイムでも後追いでもSFをたくさん読んでいるわけじゃありませんが、全体的に昔っぽいなあと感じます。テーマは普遍的かもしれませんが、書きぶりは古臭いと思います。単語のチョイス(ユビキタスなど)からハッキリ古さが見てとれるものと、特定の語が悪いわけじゃないけどなんか芋っぽいんだよな〜って雰囲気で思うものと。 明るい話もあるけど全体的にもやっとして野暮ったくて芋っぽくて古臭くてヤニ臭くてしみったれてウェッティでのっぺりしてて薄暗くてじめっとして湿度高くて人情を忘れられなくてって感じ。洗練さやクールさはない。そんな昭和や平成初期感もまた懐かしくよいものなのでしょうか？ いうほど衝撃のオチじゃないのにオチのためにあるような話もある。 短いんだけれど星新一のショートショートを思ってると長く感じるし、かといって膨らみのある長さでもないし、半端、さらっと読めるけど。 大恐竜……なんとなく想像つくし、なんだか喋りが古いし、でも話は王道なので安心。 マダム・フィグス……グロくて楽しくて好き 最後の一夜……SFではないがいい話。正体はすぐ分かるが。アラフォーではなく40代と書いてくれる方が雰囲気に合ってると思うんだけど、40後半と取られるのが嫌だったのかワザと軽さを出したのか。 カンゾウの木……最後のオチに引っ張っていくためにおっさんの言うことが不自然。 断続殺人事件……殺人を罪に問えないってのがそもそも不自然。いくらなんでも理屈を捻り出すと思う。これは嫌い。 半身の魚……オチは読めるが変なことされるよりよい。 トビンメの木陰……好き。意志も何も無常に飲み込まれていく感じが。 二つ折りの恋文が……かなり好き。が会話の部分はそんなに感心しない。 ワーク・シェアリング……好き。バカバカしいけど笑ってられないよねって思える。 ナイフィ……理解できてない。最後はさゆりだけに触れるって暗示でママが切られたのはわかるけど、花子ちゃんはどゆこと？好き嫌いはしないって暗示じゃなくて、さゆりだけに触れるって暗示が本当は効いてたの？でも朝起きたら太郎は足を切られてたんだよね？テキトーに読み流したバカには分からない。 生煙草……トビンメが好きなら好きそう。いいんだけど説明がガーっと続くからだるくなってきちゃう。 ユビキタス…好きな方だけどこれも読むのだるくなる。 好みも話もあるしつまらないわけじゃないけど、別に他のショートショート読めばいいかな。どうしても手元に置いておきたい名品ではない。まあこんなこと言ってるけど、読み返したり旅先にお供させたりは全然します。

非表示