1939年のアロハシャツ
ハヤカワ文庫JA
碧野 圭
2019年11月20日
早川書房
836円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
八王子にある曾祖父の蔵に遺されていたのは、変わった和風柄のアロハシャツ。桜や龍や富士山までもが取り入れられている。まさかこれって、ヴィンテージアロハ?美大生の柚葉はこれらが1930年代に作られ、日本とハワイをつなぐ大切な秘密が込められているのを知る…表題作ほか、“南国の地で夫を待ち続ける妻の愛”や“ハワイの女神の呪い”など、ハワイの慈愛と神秘を感じさせてくれる全6篇を収録した、奇跡の物語。
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あゆはらこずえ
荒ぶる自然と歴史のハワイ
ゲラ読了。 ハワイ、というと大抵の人は、楽園、リゾート、癒しなど常夏の島の明るくのんびりしたイメージを思い浮かべるかと思うのですが、 こちらは少し不思議なハワイ。 表題作の、蔵で見つかった戦前のアロハシャツから戦中のハワイを探るお話や、ややホラーなもの、スピリチュアルなファンタジー要素のものなど、「ハワイの奥」を感じさせる短編集です。 とはいえ暗すぎるわけではなく、碧野さんの小説はとても軽やかなので、 楽しみながらも「リゾート地」だけではないハワイの深い部分を紹介してくれる一冊。 この小説からハワイの歴史や神話を紐解くのも面白いかもしれません。
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