
君の話
ハヤカワ文庫JA
三秋 縋
2021年11月3日
早川書房
946円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
映画化作品『恋する寄生虫』著者の最新作、待望の文庫化 架空の青春の記憶を植えつけられた青年は、その夏、実在しないはずの幼馴染と出会う。これは、始まる前に終わっていた恋の物語。
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美雪
(無題)
三秋縋『君の話』 三秋さんの傑作だと思います。 この作品の舞台は、記憶を買ったり作ったりできる世界です。主人公は、天谷千尋。両親に愛されず、ほぼ思い出のない幼年時代を過ごしてきました。レーテという薬を飲み込み記憶を消そうとしたところ、間違ってグリーングリーンという薬を飲んでしまいます。そして自分の過去に「架空の幼馴染」の記憶を誤って埋め込んでしまいます。その幼馴染・夏凪灯花は本来存在しないはずの人物です。ところが、灯花はアパートの隣人として千尋の前に現れます。「夏の魔法はまだ続いている」と。 「この話は嘘だからこそ、本当よりもずっと優しいんだ」 三秋縋さんの話しには多く、どうしようもなく孤独で、空白に満ちた青春時代を送った人たちが出てきます。それだからこそ、青春や普通に対する尋常ではない憧れが作中で描かれます。餓えと言ってもいいですよね。 でも、実際リア充と言えるような青春を送れる人間がどれくらいいるでしょうか。黒歴史をもっていたり、漠然とした学生時代を送ったり、もっと悲惨な幼年時代を過ごしてきた人間も多いと思います。 本当に恋愛とか普通とか、そこに対する憧れや祈りはささやかな願いではあるけれど。悲しいけれど、人生の過ぎ去った時間はたとえ僅かであれ、取り返しがつきません。そんな苦しみを小説のベースとしているからかな。三秋さんの小説はとても優しく心に染みます。
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