
嫉妬/事件
ハヤカワepi文庫
アニー・エルノー / 菊地 よしみ / 堀 茂樹
2022年10月26日
早川書房
1,188円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
中絶手術が違法だった時代に妊娠することの葛藤を描く金獅子賞受賞映画の原作「事件」と、元恋人への盲執を描く「嫉妬」を併録。
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starstarstarstar 4.3 2023年10月17日
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⚪︎嫉妬
「私は終えた。嫉妬に囚われた想像界、ここではそれは、嫉妬の虜であり、かつ観客であった私自身の想像界だったわけだが、そこに現れるさまざまな形象を抽出することを。私の思考の中に制御しようもなく増殖していった紋切り型の数々を記録することを。〜。貪婪でかつ苦悩に満ちたあれらのレトリックの総体を描くことを」(82頁)
嫉妬という感情をありとあらゆる表現で描いた文学的作品であった。嫉妬に対する知見、考察を楽しむというより、己を凌駕する制御できない嫉妬という欲の表象の描写を楽しむ作品だった。
以下抜粋
「嫉妬において最も常軌を逸していることは、ひとつの街に、世界に、ある人――それは一度も会ったことのない人である場合もある――の存在ばかりを見てしまうことだ」(17頁)
「病気や気持ちの落ち込みで脆くなった人々と同様、私はあらゆる苦しみの共鳴箱だった」(24頁)
「嫉妬は自己の中身を刳り抜いてしまい、もうひとりの人間とのあらゆる差異を劣等に変えてしまうので、その中では、私の顔だけではなく、私のさまざまな活動も含めて、私の存在まるごとの価値が下落したのだった」(51頁)
「そこまで落ちることはできなかった。いっそそまで落ちてしまったらどうだろうという誘惑にはしかし、何かしら惹きつける、怖しいところがあった。井戸に身を乗り出して、その奥底の水面に映る自分の像が揺れているのを見るような感じだった。」(59頁)
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