
シンパサイザー 上
ハヤカワ・ミステリ文庫
ヴィエト・タン・ウェン / 上岡 伸雄
2017年8月24日
早川書房
792円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
1975年、サイゴン陥落。南ベトナムの将軍はアメリカに亡命するが、同行した側近は北ベトナムのスパイで……圧巻のデビュー長篇!
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すずきたけし
書店員@16の小さな専門書店
狂気を観察する他者を得たことによって誕生した新たな「ヴェトナム戦争小説」/『シンパサイザー』
みんなのレビュー (2)
(無題)
なんといってもピュリッツァー賞とアメリカ探偵作家クラブ紹介をダブル受賞、早川がすかさず翻訳して単行本と文庫本をほぼ同時に出したことでも注目されてたので手に取ってみました。そして世評は伊達ではない。ほぼ一人の男の独白からなる作品で語り部は元南ヴェトナムの軍人。フランスの宣教師がメイドのヴェトナム人に産ませた私生児で、実は共産主義者なのだがスパイとして秘密警察に潜り込み長官である将軍の副官として勤めていた。戦争の終焉とともにCIAによってアメリカに救い出された将軍と共に主人公も渡米、将軍の動向を母国に送り続けるのだが将軍がヴェトナム侵攻を画策して、という話。出だしでは独白が長くてしんどいな、と思ったがぐいぐい引き込まれて一気読み。かなり暗くて陰惨なテーマなのに読後感も良い。作者もヴェトナム人で同じく戦争後に両親に連れられてアメリカに逃げて来て今では大学で教える身とか。アメリカ人からではないヴェトナム人から見た戦争を書いてみたかったという目的はじゅうぶん果たされていると思う。
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知らないベトナム戦争
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