人類が消えた世界

アラン・ワイズマン / 鬼澤忍

2008年5月31日

早川書房

2,200円(税込)

科学・技術

住人を失ったあなたの家は、その時点から腐りはじめ、100年後には煙突のレンガなどを除く屋根や壁のほとんどは崩れ落ちるだろう。高層ビルを擁する大都市もまた、地下への浸水から崩壊し、長くは持たない。人類なきあとにはどんな動物たちが地上を闊歩するのか。犬はもはや人間なくしては生きられないが、猫は小動物を狩りながら自由を満喫するだろう。アフリカで人間の後釜に座るのはヒヒかもしれない。人間が残したいと願う文化的生産物は、銅像などを除けば、ほとんどが数万年のうちに跡形もなく消え去るが、プラスチック粒子、放射性物質などはその後も地球の生態に大きな影響を及ぼし続ける。また、テレビ番組の電波は宇宙空間を永遠にさまよい続け、どこかの知的生命体の退屈を紛らせるかもしれない…。ニューヨークからパナマ運河、朝鮮半島まで世界中をフィールドに、最新の科学的知見にもとづき、人間の営みを多角的に見つめなおして描き上げる驚愕の未来予測。

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