これからの「正義」の話をしよう
いまを生き延びるための哲学
マイケル・J.サンデル / 鬼澤忍
2010年5月31日
早川書房
2,530円(税込)
人文・思想・社会
哲学は、机上の空論では断じてない。金融危機、経済格差、テロ、戦後補償といった、現代世界を覆う無数の困難の奥には、つねにこうした哲学・倫理の問題が潜んでいる。この問題に向き合うことなしには、よい社会をつくり、そこで生きることはできない。アリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズ、そしてノージックといった古今の哲学者たちは、これらにどう取り組んだのだろう。彼らの考えを吟味することで、見えてくるものがきっとあるはずだ。ハーバード大学史上空前の履修者数を記録しつづける、超人気講義「Justice(正義)」をもとにした全米ベストセラー、待望の邦訳。
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(無題)
マイケル・サンデル「これから「正義」の話をしよう」ハヤカワノンフィクション文庫 哲学に関する本。 内容としては、カント、ロールズ、アリストテレス等の哲学の説明を行った後、最後に自らの主張を落としている。著者は大学の教授で教壇に立つことも多いそうだが、まさに読み手に哲学を解き考えさせるような文章である。彼の主張を読みたいのなら最終章の2,30ページですむ。 基本的に彼の主張は、ロールズの台頭で盛んになっていたリベラリズム、自由主義の考えに一矢酬いる、コミュニタリアズムである。資本主義、個人主義、自由主義が人気となり、多様性や個人の権利が尊重される現代において、コミュニティの共通善を重視することの重要性を説いている。リベラルや功利主義の主張を並べながら疑問を呈すものの、自分の意見は明示せず読み手に考えさせるという論調である。以下2点、印象に残ったことについて語る。 「コミュニティ」について。我々は日本人であり日本というコミュニティに属しコミュニティの道徳と法に従っている。では我々は日本が過去に犯した責任を問われるのか?私は問われないと思うが、それが何故かを論理的には示せない。非常に考えさせられれる問であった。 日本のリベラルについて。自由主義においては、個人の権利を尊重し資本主義は尊重され、所得の再分配は個人の権利を阻害する。 日本のリベラル政党は消費税減税、所得税の累進課税、法人税の増税を押しているように見えるが彼らはリベラル?保守系の与党が法人税減税をすすめ所得格差を膨らましている現状。保守派が改憲を提案しリベラルが反対する現状。もはやリベラルや保守という2軸で政治的思想を判断することなど出来ないのではないかと感じた。 総じて分かったことは、私はリベラルよりの思想であること。彼の主張には賛同出来ないこと。自分の思想は知識不足から曖昧であること。知識不足から、本書の内容で理解できない部分が多々あること。 哲学について学び自分の思想を固めたあとで再読したい。
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たきひろ
(無題)
正義というものを哲学的側面から考える。理屈で考えると非常に複雑で奥深い。講義ということもあってそれぞれの提議に対してこれといった答えはない。アリストテレスの話などいろいろ興味深いところは多い。
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