ディアスと月の誓約
乾石 智子
2013年4月24日
早川書房
1,870円(税込)
小説・エッセイ
かつて魔法使いが月を引き下ろして創った王国“緑の凍土”。極寒の地で唯一豊穣の恵みを享受するその国を支えるのは、伝説の鹿サルヴィの角。それが崩れるたび、王国は災厄に見舞われてきた。王子でありながら家臣に育てられた少年ディアスは、そこで王位継承争いとは無縁の穏やかな日々をおくっていた。しかし異母兄オブンの奸計により、突如故郷から追放されてしまう。同じ頃、姪であり幼馴染みのアンローサにも危機が迫っていた。角の崩壊に怯え、度重なる危機に疲弊した王国、そしてディアスとアンローサが窮地に立たされたとき、彼らの選択が未来を切り拓くー。
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(無題)
乾石智子さんの長編ファンタジー最新作。長編の中では一番短いこともあって、ちょっとすっきりまとめすぎてしまった印象だが、この方の文章それ自体が好きなので、短いながらもかなり堪能させていただきました。魔道師シリーズとも、『闇の虹水晶』ともまた別の異世界での話。例によって例のごとく、最初のほうはわかりずらく、物語の中になかなか入っていけないのだけれど、中盤を超える頃、物語が動き始めてからは、引き込まれるように結末まで一気に読める。構成の巧みな作家さんだと思います。 ところでダシルの民の訛りは山形弁なんでしょうか。実はとても気になっている。
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