誰が音楽をタダにした?

巨大産業をぶっ潰した男たち

スティーヴン・ウィット / 関 美和

2016年9月21日

早川書房

2,530円(税込)

エンタメ・ゲーム

田舎の工場で発売前のCDを盗んでいた労働者、mp3を発明したオタク技術者、業界を牛耳る大手レコード会社のCEO。CDが売れない時代を作った張本人たちの強欲と悪知恵、才能と友情の物語がいま明らかになる。誰も語ろうとしなかった群像ノンフィクション。

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みんなのレビュー (1)

toruo

(無題)

-- 2022年05月12日

これはかなりスリリングで凄まじく興味深い内容だった。いや面白かった。 自分ももう音楽はiPodでしか聴いていない〜160GBで2万7千曲くらいになってる〜が誰がいつどのようにレコードやCDからのシフトを果たしたのかは分かっていなかった。 この作品では、MP3を開発した研究者、CD工場から発売前の音源を盗んでいた労働者、音楽産業の経営者の三者を中心に、従来の音楽産業がいかに破壊されたか、が描かれている。 人間の耳で聴き取れない音まで入っているCDは無駄で美しくない。無駄を省いた軽いファイルこそが美しい。そういうものを世に出そう、という技術者の情熱に実はかなり共感。実はiPodが出るかなり前からMP3プレイヤーを使ってたのだよ、私は。また金儲けよりもとにかく人より早く音源をリークしたいという音楽オタク達の情熱も凄い。自分はリークとかしたこと無いけどなんとなくその気持ちも分かる。そして時流に逆らいながらもクリエイターを守ろうとする音楽産業側の視点もそれはそれでスゴく良く分かる。 という感じでそれぞれに共感しつつ、同時代の人間としてあの時はこうだったのか、と思いながらの一気読み。規格策定の政治的な動き、MP3は自他は一旦葬られた規格だったとかビジネスのストーリーとしても凄まじく興味深い。いや、実に面白かった。

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